マーケットの魔術師、現役サラリーマン投資家から見た書評と活用

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マーケットの魔術師、現役サラリーマン投資家から見た書評と活用

「マーケットの魔術師」という本は、もう20年以上前に読んだ本です。
マーケットの魔術師

相当古い本(アメリカ初版1989年)ですが、いまだに売れ続けている様です。投資を始めてから、テクニカル分析の本や、投資指南本、投資雑誌などを読んできましたが、どんな本を読んで、何を勉強したのかは、ほとんど覚えていません。

体感、実戦はしてきましたので、痛みと喜びは覚えていますが…

皆さんは、どんな本で学んだか覚えていますか?

そんな中で、この「マーケットの魔術師」だけは私に強烈な印象を残しています。

唯一と言って良い位、記憶に残るこの本については、あらためて読み直し、書評に書いておこうと思い、最新の状況を調べたところ、復刻版が発行され、又、シリーズでは4部作となっていました。

早速、復刻版を購入し、序文を読み始めたところ、「この本が未だに売れ続けている理由」が書かれていました。

この記事で私が伝えたい核となることも、ほとんど同じことです。

以下は、「この本が未だに売れ続けている理由」についての「序文からの引用」です。

マーケットの魔術師で取り上げている内容は、ほとんどがトレーダーの考え方や精神面について書かれたものであって、時代によって変わるマーケットの特殊状況についてはあまり触れられていないことだ。

マーケットを動かすのは人間の心理であり、人間の心理(恐怖や強欲などといった根本的な感情)は不変なのである。

つまり、マーケットがどのように変化しようが、トレードする人の「考え方や精神面」で結果が決まるんだよ、ということが書かれているのです

投資指南本や投資雑誌を毎週購読しても、何故か、資産運用で負け続けている人、上手く行かない人は、根本的な「考え方や精神面」に足りない部分があるのだと思います。

つまり投資にあたっては、「考え方や精神面」に加えて心理も大事なのですが、資産運用で何をやってもダメな方は、この本を、読んでみてはいかがでしょうか。

つまるところ、負ける人は、自分の心と考え方に負けているのかもしれません。

私も少なからず、「マーケットの魔術師」には、影響を受け、その後の運用成績にも良い結果をもたらした様に思います。

再購入した復刻版を読み返し、あらためて、我々、プロトレーダーではない、サラリーマン投資家が「時間のない中でしっかり運用成果を上げるために大事だなと思ったこと」をまとめて行きたいと思います。

マーケットの魔術師(達)から読み取るべきこと

まず最初に前提としておかなければならないことがあります。

  • これを読んでいる貴方は、プロのトレーダーですか?
  • もしプロの「トレーダー」なら、私は現役サラリーマンで素人「投資家」なので、プロのトレーダーの方には役に立たないと思います。(本から直接、ご自身で学んで下さい)
  • これを読んでいる貴方は、プロの真似をしようとして、ほとんど勝つことが出来ない個人投資家ですか?
  • それならば、少しは現役サラリーマンの素人「投資家」が書いた書評として、ヒントになることがあるかもしれません。

「マーケットの魔術師 」には副題として、「 米トップトレーダーが語る成功の秘訣」とある様に、プロや専業トレーダーの皆さんにとっては、古典的な名著とされている本です。

著者のジャック・D. シュワッガーが、今や伝説とも言えるアメリカのトップトレーダー 『Market Wizards』(マーケットの魔術師)たち16人とトレーダーの研究を続けている心理学者1人にインタビューをし、その成功の秘訣を書いた本です。

ただ、この本にはテクニカルやファンダメンタルの手法はほとんど書かれていません。

しかし彼らマーケットの魔術師たちがどのような経緯で今の成功をつかんだのか、 普段どのようなことを考えて、何に注意してトレードしているのか、そして成功をつかむまでに昼夜を問わず努力し続けていること等、を良く理解することができます。

成功したトレーダーたちの話を聞いているとプロトレーダー達の自己コントロール力の高さ、勉強熱心さ、心の強さなどが、並外れていることが分かります。

そして次にマーケットの魔術師たちのインタビューで驚くのは、何度か破産している人が多いことです。 しかし彼らが他のトレーダーと違うのはその失敗を糧に、最後は成功していることです。

この本を読んだ最初の感想は、

「凄い努力と葛藤だな。こんなプロのトレーダーと同じマーケットで闘っても勝てっこないな」
一方で、プロのトレーダーでも皆が勝てるわけではないし、負け続けてマーケットから退場するトレーダーもいるのだな」
と感じました。そして次に、
「それでは、現役サラリーマンで素人の投資家である自分は、プロのトレーダーの様にトレード出来ないとしたら、どうやって投資したら、勝てるのだろう?」
と言う課題も見えた「原点となった本」でした。

そうです。私たちは、プロのトレーダーではないので、真似をするならプロにならないと勝てません。私たちは、トレーダーではなく、投資家、しかも現役サラリーマンなので、マーケットの魔術師の多くが経験している多額の損失、人によっては破産‥は、避けなければなりません。

それでは、どうしたら、私たち現役サラリーマンの素人投資家は、長期、トータルで勝つことが出来るのでしょう。

現役サラリーマンがプロのトレーダーに勝つために

本書から、二人のトレーダーのインタビューをピックアップし、引用します。
ここでは、プロではない自分には、何ができるのか?何が足りないのか?を考えながら読んで頂ければ良いと思います。

1人目は、エド・スィコータさんです。

Q  負けるトレーダーが勝てるトレーダーに変身するには、何をすればいいでしょうか。
負けるトレーダーが勝てるトレーダーに変身できることはほとんどない。負けるトレーダーは彼自身を変えたいと思ってはいない。それは勝てるトレーダーがやることなんだ。
Q  トレードで成功するために、心理学と市場分析との相対的な重要性をどう評価しますか。
心理学は質の高い市場分析への動機づけとなり、かつその分析を役立てるものだ。心理学は運転手であり、市場分析は道路地図なんだ。
負けるトレーダーは、自分を変えない限り、負け続けると言っています。そして心理学が重要だとも語っています。ここでは掲載出来ませんが、エド・スィコータさんは、心理学にもとても造詣の深い方の様で、本書では、注目すべき心理学と投資について言及されています。
厳しいですよね…
負けるトレーダーは負け続ける…
ドキッとした方もおられますか?
やはり、頑なに自分のやり方?に固執したり、考え方を変えないと負け続けると言うわけです。

2人目はジェームス・B・ロジャーズ・ジュニアさんです

つまり、ジム・ロジャーズさんです。

(インタビューを申し込んでから)数日後、ロジャーズから電話があり、本の礼を述べるとともに喜んでインタビューに応じると言ってきた。「しかし、私はあなたがインタビューしたいと思っている人間とは違うかもしれない。私は数年にわたって同じポジションを持ち続けることがある。もっと言えば、世界で最悪のトレーダーかもしれない。タイミング良くやったことなど一度もないんだ」と彼はことわった。私は偉大な投資家ではなく、偉大なトレーダーに興味があると手紙に書いたので、彼はその点を指摘したのだった。

若かりし頃のジム・ロジャーズさんも、やはり長期投資の重要性を語っておられます。

ただし、我々が、ロジャーズさんの先見性や選択眼を、真似しろと言っても、やはり難しい部分もありますね。

3人目は、バン・K・タープさんです。

第五章 トレードの心理学からの引用です。
 Dr. Van K. Tharp(バン・K・タープ)という心理学者兼トレーダーへのトレードの心理学に関するインタビューです。研究テーマや切り口として、11の因子から分析をしています。
心理的因子で5つ、意志的因子で3つ、自己管理因子で3つです。
  • 「心理的因子」には五つの因子があります。円熟した人生観、積極的な態度、お金を儲けようとする熱意、矛盾のないこと、結果について責任を持つこと

  • 「意思決定因子」には三つの因子があります。相場のテクニカルな面についてのしっかりした知識、偏見にとらわれず論理的に決断する能力、そして独立した考え方のできる能力

  • 「自己管理因子」には三つの因子があります。そのうちの二つは、リスク・コントロールの能力と、忍耐力です。また、ここに三つ目として〝直観”を入れました。

全ての因子について、「そうだよな〜」、と思いながら、読むわけですが、特に私が大事だなと個人的に感じた部分を太文字にしています。
次からの引用は、運用をしたことのある方は、ほぼ全員が「悔しいけれど認めざるを得ない内容」だと思います。どうでしょうか?
多くの人はトレードをしようとするときに、自分の問題を市場に持ち込んでしまうということです。市場には自然にそうした問題が持ち込まれるのですが、解決される場所ではありません。結局、ほとんどの人はそのことに気付く前に市場から去らざるを得なくなる。
「損切りは素早く、利食いはゆっくり」という基本的な二つのルールがあります。しかしほとんどの人はこの二つのルールに従うことができません。例えば、多くの人がそうなのですが、お金を儲けることがあなたにとって非常に大切なことだとすると、小さな評価損の出ているポジションをなかなか実現できず、それを抱え込んでしまうことがよくあります。その結果小さな評価損がやや大きな評価損となり、その損を実現するのがより難しくなります。最終的には、やや大きな評価損が大きな評価損となり、あなたはいやでもその損を実現しなければならなくなるのです。これが小さな損を実現することがいかに難しいかということの理由です。同様に、評価益が出ているとき、多くの人はすぐにその利益を実現しようとします。彼らは、「利益が出ているうちに実現したほうが良いのではないか」と考えるのです。利益が大きくなればなるほど、それを今すぐ実現したいという誘惑に逆らうのはより難しくなります。多くの人は評価益が出ているとき、「大きい利益を生むために賢い賭けをするよりも、小さい利益を確実に得ることを好むリスク回避型」となります。また評価損が出ているときは、「損をより膨らませてしまう愚かな賭けを好むリスク愛好型」となるのです。つまり、成功するためにすべきことと正反対のことを行っており、「利食いを素早く、損切りをゆっくり」になってしまっているのです。
頭と胸が痛くなりますよね。私も未だにそうです。その通りです!と言いたくなります。
(従って、これを自分の中でルール化すれば良いのです。)
もしあなたがトレードのことをゲームだと考え、失敗したのはゲームのルールに反していたからだと考えれば、その二つのルールに従うことが非常に簡単になるはずです。あなたは一日の初めに、自分のルールを心の中で読み返してみるべきですし、一日の終わりに自分のトレードを振り返ることも必要です。たとえ損を出してしまったとしても、ルールに従っていたのであればあなた自身を励ましてあげてください。もしルールに従っていなかったときは、次回はもっと適切な選択ができるよう、今日のあなたの行動を反省してみてください。
又、ストレスについても語られています。
ストレスのもとで多くの人が下す最も一般的な決定は、〝決定しない”ことです。彼らは初心者のときに行ったように行動します。ブローカーのアドバイス通りに行動してしまうのです。つまり、安易な行動をとるようになるのです。安易な行動はめったに正しかったことはありません。また、人はストレスを感じると、群集心理に従い始めるようになります。他人の行動に従うのは非常に楽であり簡単です。大勢に従っていれば自分で決定する必要がありません。しかし、それは市場において一番確実にお金を失って行く方法です。
「人の行く裏に道あり花の山」ですね。
 四つ目は、ほとんどの人が感情によってトレードをしているということです。実際、多くのトレードに関する問題は感情をうまくコントロールできないことによって起こっています。
トップ・トレーダーの信念として、次のようなものが挙げられると思います。 ●お金がすべてではない。 ●相場で損をしても、あまり気にしない。 ●トレードはゲームである。 ●成功するには心理的なリハーサルが不可欠である。 ●トレードを行う前から勝っている。この他にもたくさん挙げられますが、この五つが最も重要です。お金を非常に大切に考えている人は、損切りすることや、評価益を伸ばすことに抵抗を感じてしまうからです。それとは対照的に、トレードをゲームだと考え、しっかりしたルールに従ってトレードを行えば、二つの黄金律「損切りは早く、利食いは遅く」に従うことは容易になるでしょう。
(復刻版の追補として)二二年後にも確信していること
年間リターン目標を掲げることはやめよう。トレードは機会によって決定されるべきであって、トレーダーが定めた人工的な目標によって決定されるべきではない。
だれかほかの人のアプローチをまねても市場で成功できるわけがないのである。なぜなら彼らのアプローチはあなたの性格には合わない可能性のほうが高いからである。だれかほかの人のアプローチをまねるよりも、自分自身のアプローチを見つけなさい。これが私からの答えだ。

以上の通り、何人かのトレーダーのインタビューから引用させて頂きました。いま読み返しても、普遍的だなと思います。

最後に、私たち素人のサラリーマン投資家がプロトレーダー達と時に異なったアプローチで成果を上げるために、私なりの考え方を、まとめとして書きたいと思います。

まとめ

  • 我々は素人サラリーマン投資家であって、プロのトレーダーではない。従って、一部のプロ(ジム・ロジャース等)トレーダーの様に、年間で成果を出す必要はないと考えることが必要。
  • 素人は、売りから入らず、買いからエントリーするべきと考えているので、エントリーするタイミングは、ものすごく重要。しかし、一旦エントリーしたら、下手な知識でプロの様にストップロスを入れると、下がったところで自動的に売られてしまい、上昇の果実にありつけないことが多い。往復ビンタをくらうことになる。
  • よく考えてエントリーしたにも関わらず、エントリーした後にも下がってしまう痛みに耐えた結果、上昇し始めると、すぐにでも売りたくなるが、一定の自己ルール(例えば10%〜20%の上昇)に沿って利益確定するまで我慢する。(自己ルールを守る)
  • そして、この上昇するトレンド(戻るトレンド)の中でこそ、買値に戻ったら、一定の利益を確保しつつストップロスを設定し、上昇に追随しながらストップロスを設定し直していく。
  • このストップロスは非常に重要だと思います。上昇する中で(利益確定の前に)ストップロスを設定していないと、下がり始めたときには心理的に売れなくなり、結局、利益確定できずに終わってしまいます。売りのタイミングは、それほど難しいと思います。
  • しかし、上昇トレンドの中で、ストップロスを追随設定しながらトレンドフォローしていけば、最後まで一定の利益を確保しながら、利益確定できます。
  • マーケットの魔術師にも、何度も出てきますが、ストップロスは重要。ただし、素人のストップロスの設定や、利益確定のターム、ポイントは、もう少し長いということだと思います。
  • また、素人ですから、金利が発生する上に、塩漬けも出来ず、谷の深さも読みにくい、信用売りはしないことです。
  • 自分の確たる考え方を持て、という話は、本書にも度々出てくる重要要素だと思います。私は、素人投資家が、一定の期間(例えば20〜30年)で、少ない種銭から億り人になろうと思えば、一定のリスクを感じながら、「暴落に立ち向かう!」しかないと思っています。(これからは日本市場での投資に限りません!)ただし、エントリーしたからには、ジタバタしないで、じっと上昇相場が訪れるまで、人のせいにせずに、我慢し、上昇トレンドに変化した時にも、ジタバタせずに、買値に戻れば、ストップロスを仕掛けながら、最後まで(あるいは目標株価まで)トレンドフォローし、利益を追求していくこと。この手法が大事だと思っています。
  • 私たちは、プロトレーダーではないので、残念ながら逃げきれず塩漬けになってしまっても、2年後に戻れば損失はないですよね。こう考えれば、損しないのです。基本的に、この数十年、私は、塩漬けにせざるを得なかったことはありますが、株式で損切りしたことは、あまりないまま「億り人」を達成しています。直近でも、コロナ暴落がありましたが、過去の経験から、過ぎれば戻ることがわかっていましたので、ジタバタせずに放っておきました。今は戻って、プラスになっています。業績に関係のない暴落は、買い場、チャンスと思った方が良いです。ただし、人と違った行動をする勇気と少しのテクニカル分析の知識が必要です。
  • リスクコントロールについては、本書でも度々登場します。私たち素人投資家は、生活費やコア資産に手を出してはいけません。
  • リスクのある運用に回せる資金の範囲で、勇気を持って二桁台の運用成果を目標にプロのトレーダーとは異なるアプローチで投資をされることをお勧めします。

以上、マーケットの魔術師を紹介し、自分なりの書評をさせて頂きました。最後までお読み頂きありがとうございました。 
マーケットの魔術師

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